実は適当⁉ 余命宣告の真実
皆さんこんにちは。
最近は終活なんて言葉も出てきていますが、それだけ「死」に対して関心があるということの裏返しだと思います。
今回は末期がんなどで受けることの多い「余命宣告」について書いていこうと思います。
余命宣告とは
統計的なデータに基づいて出した生存率から、あとどのくらいの期間生きられるのかを推測して言う宣告です。ただし、宣言通りに亡くなることはあまりないといわれます。
余命は生存期間(その病気において50%の患者が亡くなるまでの期間のこと)の中央値をとっているようです。
つまり、同じ病気の100人の患者がいた場合、50人目が亡くなった時点がその病気の余命となります。あくまでも中央値であり、全患者の平均値ではありません。
余命宣告は当てにならない
余命はあくまでもデータや医師の経験に基づいた予測値であり、実際にその人が亡くなる時期は誰にもわかりません。
医師は余命よりも早く亡くなってクレームをつけられることを嫌い、余命を短く言う傾向があるともいわれています。
また、実際にはどんな治療を選ぶのか、病気や患者さんの状態、その他の感染症をもらったりするなどで余命は大きく変化します。
臨床の現場でも、余命半年と言われた人がもう何年も生きているなんてことはよくあるようです。
余命宣告の意味
余命宣告の大きな意味は、自分のだいたいの余命の目安を知ってもらうことです。それによって最後の時間を有意義に使ってもらおうという考えから余命宣告がなされています。
がんに関していうと1990年代までは本人に余命を告知しないことが主流でしたが、その後は告知することが一般的になってきています。
とはいっても余命宣告された本人はショックが大きく、精神的な負担が大きすぎることや生きる希望を失い自殺してしまう人もいるなど、その告知による影響の強さが問題視されています。
その影響もあってか最近は余命宣告は基本的に行わず、本人がどうしても知りたいと希望した時だけ統計の数字を示すようにするなど、現場も変わってきているようです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
余命宣告は良い面もあり、悪い面もあります。医師によっては余命宣告自体が日本人には合わないという方もいます。
自分も治療院で働いていた際、余命宣告ではありませんでしたが「もう年だから治らない」など、医師の一言で想像以上にショックを受けてガックリしている患者さんを目にしたことがあります。
これが余命宣告になった場合、人によってはこの世の終わりのように受け取る人がいてもおかしくはないでしょう。
ですが、実際は上で述べたようにあまり当てにはならないので、必要以上に気にする必要はないと言えます。