健康ガイドブログ ちょっと寄り道

現役治療師による、ちょっと片手間に健康について学べるブログ。

意外と高額⁉ 生涯医療費とは

皆さんこんにちは。

現在日本では国民医療費が年々増加していて、すでに40兆円を超えています。

 

そんな中で私たち国民が一生涯でいくら医療費を払っているのかご存知でしょうか。

 

今回はそんな生涯医療費について解説するとともに、その問題点も書いていこうと思います。

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生涯医療費とは

平均的な日本人が一生涯でどのくらいの医療費を支払うのかを表したもので、厚生労働省が調査をして公表しています。

 

2013年のデータでは80歳までに必要な医療費は平均1802万円といわれており、その自己負担額は約482万円といわれています。

 

つまり、約80歳まで生きると少なくとも500万円近くは平均で払っていることになります。(ちなみに100歳まで生きると自己負担額は550万円といわれています)

 

この額でも非常に大きなものですが、実際は一般的な方で3割負担、75歳以上は1割負担(例外あり)の自己負担なので、残りの7~9割は周りが負担して支えていることになります。

 

生涯医療費のグラフは以下の通りです。(平成25年度、医療保険に関する基礎資料より、厚生労働省

 

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上のグラフからわかるように、100歳以上まで生きると一生涯で2600万円以上の医療費がかかります。

 

また、医療費は40代後半ごろから増え始め、70歳未満で全医療費の約50%を使って70歳以上で残りの50%を使っている状態です。

 

日本人の健康寿命がだいたい70歳を少し超えるくらいなので、この数字は当然と言えるでしょう。

 

 

 

医療費増大の問題点

当然ですが自己負担以外の医療費は、国民が毎月支払う保険料と企業などから徴収される部分で賄われています。

 

国民医療費の対GDP比は年々増加していて、1985年では4.8%だったのが2013年では8.29%に増加しています。

 

これから少子高齢化がさらに進むので、この数字は今後大きく増えていくはずです。

 

 

 

まとめ

いかがだったでしょうか。

年齢を重ねるにつれて病気やケガで病院にかかるのは仕方のないところもあります。

 

しかし、年だからといって何もしなければ問題は解決しません。重要なのは日頃から食事、運動、睡眠などの生活習慣をしっかりすることです。

 

多くの方は70歳あたりから寝たきりや、そこまでいかなくても健康に大きな問題を抱えるようになります。

 

70代で元気に生活するには50,60代での努力が必要不可欠です。まずはできることから改善し、セルフメディケーションを心がけて生活するようにしましょう。

 

 

新年の挨拶

皆さん明けましておめでとうございます。

本日からブログの更新を再開していきます。

 

年明けは少々忙しいので2,3日に一回の更新になりそうですが、より有意義な記事を提供できるよう精進してまいります。

 

今年も健康ガイドブログをよろしくお願いいたします。

 

年末年始の更新について

健康ガイドブログは治療院のパソコンで記事を書いているので、年末年始はしばらくお休みになります。

 

12月29日~1月4日まで記事の更新はできなくなると思います。

1月5日からまた更新を再開して行く予定ですので、宜しくお願い致します。

 

それでは皆さん良いお年をお迎えください。

漢方と薬膳 黒豆の効能とは

皆さんこんにちは。今年ももうあとわずかですね。

 

今回はおせち料理などでお馴染みの黒豆について書いていきますが、普段は食卓に並ぶことは少ないのではないでしょうか。

 

黒豆の種類や栄養素、薬膳的効能などを詳しく解説していきます。

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黒豆とは

大豆の品種のひとつで外見が黒いことから黒大豆、ぶどう豆とも呼ばれています。日本では縄文時代にすでに食用にされていたという文献もあります。

 

中生種では10月から11月上旬、晩生種では11月から12月上旬あたりで収穫されるようですが、現在は通年で手に入ります。

 

栄養成分は通常の大豆とあまり変わらないようで、黒い色素の成分であるアントシアニンを含みます。

 

 

 

黒豆の種類

品種としては北海道で採れるいわいくろ、中生光黒、晩生光黒、トカチクロなどのほかに、玉大黒、信濃黒、紫ずきん、そして有名な丹波黒、光黒などがあります。

 

黒豆は中国が原産といわれていますが、日本で黒豆を最初につくったのは丹波国(現在の兵庫県)だそうです。

 

 

 

黒豆の効能

黒豆はアントシアニンという抗酸化物質を含みます(種皮部分のみ)。カリウムやリンなどのミネラル分が多く、ビタミンB群や鉄、タンパク質やイソフラボンサポニンレシチンなど栄養素がバランスよく含まれています。

 

西洋医学的効能

動脈硬化の防止作用や女性ホルモン様作用、腸の痙攣を緩和する作用、視力向上などが確認されています。

東洋医学的効能

活血解毒・・・血行を良くして各種の皮膚感染症に効果があります。

袪風利水・・・免疫力を高め、めまいや急性のむくみを解消します。

 

その他にも「黒」という色は腎の色とされており、腎は成長、発育、生殖などを主っているとされています。また、腎と関係が深い髪や骨、腰、耳なども、腎が衰えることで影響が出るといわれています。

 

 

 

まとめ

 いかがだったでしょうか。

黒豆にも様々な栄養素や働きがあることがわかったと思います。

 

食材の色々な効果・効能を知ると食べることが楽しくなります。自分に合った食材や食事をすることで、より健康になれるように心がけて生活をしましょう。

 

 

 

ゼロからわかる漢方 防風通聖散とは

突然ですが、皆さんはどのようなダイエットをされたことがありますか?

最近は漢方の防風通聖散をダイエットに使用していることがありますが、実際のところはどうなのでしょうか。

 

今回は防風通聖散の正しい知識と使い方を解説していきます。

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防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)とは

構成生薬は多く、当帰、白芍、川芎、黄ごん、山梔子、防風、薄荷、麻黄、連翹、荊芥、滑石、石膏、桔梗、生甘草、生姜、白朮、大黄、芒硝の18種類の生薬からなる漢方です。

 

主に便秘、高血圧、肥満症、風邪、インフルエンザ、肺炎、気管支炎、急性腎炎、急性肝炎、膀胱炎、皮膚炎などに対応する処方です。

 

よく肥満やダイエットに使われたりしていますが、本来は熱毒による皮膚炎、痔などやニキビ、肥満がみられる便秘症の方に用いられたりします。そのためやせ薬とはいえず、すべての肥満症に対応しているわけでもないので注意が必要です。

 

 

 

防風通聖散の解説

多種の清熱薬を組み合わせて瀉下(下剤のような作用)、袪風、利水などの作用があり、上中下、体内、体表すべての炎症に対応します。

 

体表からの熱の放散、大小便による熱の排せつも妨げられた状況で、病邪が表裏ともに盛んであることを表裏俱実(ひょうりぐじつ)といいます。

 

日本漢方ではこの状態を体力のあるお腹がポッコリしたタイプととらえているので、本来の意味とは異なった使い方になっています。

 

肥満に使う場合は、汗と便から過剰な水分を排除して肥満を軽減するという使い方で、利尿、利胆、瀉下、発散といった効能で標治(対症療法)を行います。

 

 

 

防風通聖散の効能・効果

東洋医学的には袪風、清熱解毒、補血活血、瀉下利水の効果があるとされます。

わかりやすく言うと、発汗と解熱・消炎作用、解毒作用(利尿、利胆、発汗によるもの)、血液循環の改善、余分な水分の除去などがあります。

 

一般的に肥満症や皮膚病、便秘などに使用されることが多いですが、きちんと体質や病気の性質に合わせて使うことが大事です。

 

実際に、防風通聖散をCMなどでみて間違って使用し、副作用が出たり効果が無かったりといったクレームが消費者センターなどに結構届いているようです。

 

 

 

まとめ

防風通聖散に限らず漢方は適切に使用すれば高い効果が期待できます。しかし、漢方を細かく体質や症状に合わせて微調整するのは簡単ではありません。

 

CMや雑誌、ネットでの感想などは基本的に良いところだけを強調したり、情報が部分的だったりするので鵜呑みにせず、本当に自分に合っているのか考えることが必要です。

 

そういったことを無視してただのやせ薬として防風通聖散を使用することは、本来の使い方ではないうえに副作用の可能性が高くなってしまいます。

 

普通のやけどより重症に⁉ 低温やけどとは

皆さんこんにちは。

今日も気温が低くて寒いですね。

 

冷えの方でなくとも暖房やカイロなどが欠かせない時期ですが、これからの時期は低温やけどが増加することをご存知でしょうか。

 

今回は低温やけどがどのようにして起こるのか、その対策などについて解説していきます。

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低温やけどとは

一般的に短時間では問題とならないような、比較的低い温度(だいたい44~60℃)で生じるやけどのことです。

 

普通のやけどと違って、低い温度の暖房器具などに長時間接触することによって引き起こされるのが特徴で、気づかないうちに重症化していることが多いので問題となります。

 

原因は様々ですが、電気カーペット、電気毛布、湯たんぽ、電気あんか、使い捨てカイロ、こたつなどで低温やけどになることが多いとされます。

 

 

 

やけどの定義

やけどはその重症度(やけどの深さ)によってⅠ度~Ⅲ度に分けられています。

Ⅰ度熱傷

表皮の損傷のみの軽いやけどです。日焼けがこれに当たります。

Ⅱ度熱傷

表皮を超えて真皮まで到達したやけどです。軽い場合は痛み、赤み、水ぶくれなどで跡はあまり残りません。しかしより深いところまで損傷すると上記の症状に加えて皮膚が白くなり、痛みは少ないですが跡が残りやすくなります。

Ⅲ度熱傷

一番損傷が酷い状態で、痛みは基本的にありません。傷が白く乾燥してやけど跡がはっきり残ります。

 

低温やけどはⅢ度熱傷になることも多いようで注意が必要です。

 

 

 

低温やけどはなぜ起こるのか

 上でも述べたように、短時間ではあったかいくらいの温度なので、油断して長時間当ててしまい低温やけどになるケースが多いです。

 

カーペットの上やこたつで長時間寝てしまった、カイロを同じ場所に長時間当てていた、湯たんぽを足に当てたまま寝てしまったなどがありますが、最近はパソコンやスマートフォンが原因の低温やけども出てきているようです。

 

低温やけどになる皮膚との接触時間ですが、44℃では3~4時間、46℃では30分~1時間、50℃では2~3分で低温やけどになる恐れがあるというデータがあります。(山田幸生、「製品と安全第72号」低温やけどについてより)

 

 

 

まとめ

いかがだったでしょうか。

寒い時期ほど暖房器具に頼りたくなりますが、物によっては低温やけどの恐れがあります。

 

特にカイロは使用している方が多く、ポケットに入れたままにしていたり、服に張ったまま忘れたりすることがあります。また、カイロを当てたまま他の暖房に当たるとカイロが高温になって低温やけどになった例も報告されています。

 

適切な使用方法、時間を守って怪我なく健康にこの冬を乗り越えたいですね。

 

 

 

漢方と薬膳 白菜の効能とは

皆さんこんにちは。

最近は日に日に寒くなり、鍋がおいしい季節になってきました。今は草鍋というパクチーやセリなどをたくさん入れた鍋が流行ってきているようですね。

 

今では当たり前に食卓に並ぶ白菜ですが、その効能や効果、歴史などはあまり知られていません。

 

今回はそんな白菜について解説していこうと思います。

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白菜とは

アブラナ科の植物で、旬は11月から2月ごろです。本来は晩秋から冬にかけて収穫されますが、現在は一年中手に入れられます。

 

中国北方が原産のようで、日本に伝来したのは明治末期といわれています。しかし、現在のようによく食べられるようになったのは最近で、大正時代に普及、全国的に栽培されるようになったのは昭和からとされています。

 

 

 

白菜の品種

白菜にもいろいろ種類がありますが、普段目にしないものも多いです。代表的なものは以下の通りです。

・円筒型(包被型)・・・日本で一番出回っているとされる品種。最近は球の内部が黄

            色みがかったものが主流のようです。

・砲弾型・・・頭の部分が少しとがって砲弾のような形をした白菜です。

・たけのこ白菜・・・縦に細長い形をした白菜。

・半結球白菜・・・胴がしまり頭が開いている白菜。関東で多いようです。

・ミニ白菜・・・小型の白菜。通常の3~4分の1くらいの大きさしかありません。

・オレンジクイーン・・・キャベツと交配してできた白菜。中が黄色いようです。

 

 

 

白菜の効能

白菜は100gあたり14kcal程度とヘルシーな野菜です。栄養素としてはそれほど多くはありませんが、食物繊維、ビタミンB6、ビタミンC、カリウム、カルシウム、モリブデンなどが含まれています。

 

 白菜(根)に多く含まれるビタミンB6は欠乏すると皮膚炎や口内炎などを引き起こします。また、糖や脂質の代謝にも関わっているとされています。

 

西洋医学的効能

がんの予防作用・・・白菜に含まれるモリブデンがニトロソアミンという発がん物質の

          合成を阻害します。食物繊維によって便通を良くし、大腸がんの

          予防にも役立ちます。また、白菜などのアブラナ科の植物は乳が

          んの生存期間を延ばすという研究報告もあるようです。

東洋医学的効能

消食下気・・・消化を促進して胃腸を整えます。

清血除煩・・・浄血作用があり、ストレスを抑制します。

通便・・・便秘を解消します。

解酒毒・・・酒の毒を解消します。

 

薬膳的性質

白菜は甘味で寒熱は涼性(平性とも)といわれます。消化を助けて便通を良くしますが、過食すると身体を冷やす恐れがあります。

 

下痢など胃腸が弱い方は少なめにするか、ショウガなど温性のものと一緒に食べるようにするといいでしょう。

 

 

 

まとめ

いかがだったでしょうか。

食材は薬ではないので少しくらい食べ過ぎたりしても大きな変化はありません。

 

しかし、過食したり毎日食べるうちに徐々に身体が変化していきます。自分の体質に合わせて毎日少しずつ摂るか調整するのがいいでしょう。

 

白菜の栄養素は熱に弱いものが多いので、スープごと食べるか熱を入れるのは短めにすると栄養素をしっかりとることができます。